【魔法使いの嫁】竜の競売で協力した女性の正体は魔女？目的、名前は？

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悪い魔術師がドラゴンを二頭密漁したのが、事の発端でした。

チセは人脈を駆使し、ドラゴンが競売にかけられていることを突き止めます。

競売の管理者にドラゴンを助けてほしいと交渉しますが、聞き入れてもらえません。

いかなる理由でも、一度出品されたら商品。助けたければ、落札するしかないそうです。

チセは資金を調達して競りに臨みます。

すると競りの途中、謎の女性がチセに話しかけてきました。

「協力しましょう。私のお金も使っていいから、

もしそれで落札することができたら、ドラゴンの血を分けてほしい」

結局、ドラゴンが逃げたことで有耶無耶になってしまいましたが、彼女はいったい何者だったのでしょうか。

【謎の女性の正体】

謎の女性は、自力でチセの家を捜し出し、訪ねてきました。

彼女の名前はマリエル。山羊使いのマリエルと呼ばれ、魔女を生業としています。

魔女とは魔法使いの一種です。魔術師のように、

魔力で世界のルールをいじって結果を出すのではなく、

妖精や精霊にお願いして奇跡を起こしてもらっています。

では、なぜチセやエリアスのように魔法使いと名乗らないのでしょう。

普通の魔法使いとは考え方が少し違うからです。

魔女はグループを作ります。困った時に助け合ったり、情報を交換し合ったりする魔女仲間です。

エリアスは、あまり魔女と関わり合いになりたくない様子でした。

「魔女は人間臭い。僕ら魔法使いより容易に嘘をつく」というのです。

仲間を助けるために、チセが利用される可能性を考えているのかもしれません。

しかし、チセは魔女に興味を持ったようでした。

チセはドラゴンを助けた際に、左腕にドラゴンの呪いを受けてしまいました。

魔女なら、この呪いを解く方法を知っているかもしれないと考えたのです。

実際、マリエルは、チセにかけられた呪いをすぐに見抜いてみせました。

呪いは魔女の得意とするところです。

呪いをかけるのはご法度なので、解く方が専門という発言にも、期待が持てます。

マリエルはチセに、魔女になる気はないかと、集会の招待状を渡します。

スレイベガなら素質もあるし、仲間になれば呪いを解くこともできるかもしれない、というのです。

しかし、なぜマリエルはチセにここまでしてくれるのでしょう。本当にただの善意なのでしょうか。

【マリエルの目的は？】

魔女マリエルは、チセの家を訪れた際、

ドラゴンの血を分けてくれないかと頼んできました。競売で協力を申し出た時と同じです。

チセを勧誘することよりも、こちらの方が本題だったのだと思われます。

「ドラゴンは五体満足で返したいから」

チセが断ると、今度はチセの左腕の血を欲しがります。

ドラゴンの呪いにかかった腕なら、力が宿っているかもしれないから、ということでした。

もちろんエリアスがそれを許しませんでしたが、マリエルは未練があるようです。

どうしてそこまでドラゴンの血を欲しがるのでしょう。

それは魔女の集会へ訪れた際、明らかになりました。

集会といっても、それほど多い人数ではありません。

マリエルを入れても６人。みんな黒いベールで顔を隠しています。

中でも目を引いたのは、まとめ役のピュリスです。足が見当たらず、

代わりに裾から木の根のようなものが生え、大樹に飲み込まれています。

しかし、魔女たちは気にしません。平然と会話をしています。

どうやら、この姿になってから、それなりの時が経っているようです。

「呪いを封じようとしたら、しくじって木に捕まってしまってね」

ピュリスは穏やかに、それだけ説明してくれました。

大樹と離れられなくなった運命を悲観することなく、受け入れているようです。

しかし、マリエルだけは違いました。大好きなピュリスが大樹に縛り付けられ、

一人で死んでいくことが耐えられないようです。

チセを仲間に誘ったのも、ドラゴンの魔力が宿った腕を使えば、

大樹から解放されるかもしれないと考えたからでした。

しかし、ピュリスはそれを許しません。

「私はもう長く生きたし、この体も生きた証のようなものだ」

そう説得され、マリエルはようやくドラゴンの血を手に入れることを諦めます。

帰り際、マリエルは迷惑をかけたと謝罪し、

エリアスに呪いに関する情報を提供してくれました。

呪いを受けたチセを心配している、というのは本当のようです。

仲間思いの優しい魔女。それがマリエル、ということでしょう。