魔法使いの嫁カルタフィルスは竜を何に使う？何の研究をしている？

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※ネタバレ

カルタフィリスは、悪い魔術師です。

チセの周りで起こった数々の残虐な事件。

その真相を探ると、いつもカルタフィリスに辿り着きます。

ただ、カルタフィリスは人々が苦しむ姿を楽しんでいるわけではありません。

研究していることがあって、それを成功させるためなら手段は問わない。

どんな残酷な出来事も、データとして認識する。

科学者気質な人物です。

ということは、彼がドラゴンを密漁したのも何らかの目的があるはずです。

いったい、なにに使うつもりなのでしょう。

【カルタフィリスは何を研究しているの？】

カルタフィリスは、魔術師の間では伝説の存在です。

紀元前から若い姿を保ち続け、数十年単位で姿を現しては消す。

どうやって不老不死の体を手に入れたのか。多くの者が興味を寄せています。

しかし、そんなに羨むような代物でもないようです。

ある魔術師が、研究の目的は何なのか問いただしたところ、カルタフィリスはこう答えています。

「いつ来るか分からない終わりの日まで、体が朽ちたままは嫌だ。痛いのは嫌いだから」

どうやら、彼は不老不死というより、

死ねない呪いにかかっているようです。

たとえ体が朽ちても生き続けてしまう。

だから、朽ちないように体をメンテナンスする必要がある、ということのようです。

チセは、カルタフィリスの夢に入ることで、その苦しみを知ることになります。

夢の中の彼は、まるで二重人格のようでした。

自分のことをヨセフと名乗り、子どものように無邪気にチセを気遣ってくれます。

彼は失った腕の代わりを探しているようです。

何度作ってもくっつかない。人間が材料では駄目なのだろうか。

どうしたら自分はカルタフィリスに許されるのだろう。

どうしたら僕たちは救われるのだろう。痛い、助けて。そう、涙を流していました。

彼が研究を続けるのは、痛みから解放されたい一心のようです。

【どうして不老不死になったの？】

魔術師たちは、カルタフィリスのことを「さまよえるユダヤ人」と呼んでいます。

この呼び名は、キリスト教の伝説に由来していると思われます。

伝説によると、疲れ切ったキリストが、

カルタフィリスの家の前で休憩をしていました。

ところが、短気なカルタフィリスは、キリストを邪険にした挙句、

暴力まで振るおうとします。その罰として呪いを受け、死ねなくなったというのです。

その後、カルタフィリスは改心してヨセフという名前を新しく貰うのですが、

それで呪いが解けたわけではありません。カルタフィリスはあくまでも、

この世界が終わるその時まで生き続けなければならない運命のようです。

ただ、あくまでも伝説です。

夢で話したカルタフィリスは、自分（ヨセフ）とカルタフィリスを別人だと認識していました。

謝罪の相手も、キリストではなく、カルタフィリスです。

結局、真実を知っているのは、カルタフィリスのみということになるのですが、

長く生きた弊害で、その記憶も失われつつあります。死ねない呪いについては、未だ多くが謎に包まれたままです。

【竜をなにに使うの？】

カルタフィリスは、失った左腕を作ることに固執しています。

人間の腕を奪っては、自分にくっつけようとするのですが、上手くいきません。

もしかしたら、人間の腕では駄目なのかもしれない。

そう思い立ち、目をつけたのがドラゴンでした。

密漁したのは二頭です。

その内の一頭は研究に使わずに、競売にかけてしまいました。

もともと、必要なのは一頭だけでした。

二頭目はあくまでも予備。いらなくなったので、高値で売って、研究費の足しにしようと考えたようです。

幸い、チセが競売にかけられていることに気づいたので、

売られずに保護することができました。無事、竜の国へ帰すことができそうです。

しかし、残りのもう一頭は見つかっていません。

おそらく、研究の材料としてカルタフィリスに囚われたままなのでしょう。

今のところ生きているようです。

が、競売にかけられた方のドラゴンは、

切り刻まれると怯えていました。カルタフィリスが、

目の前でそういう光景を見せたからでしょう。

無事でいる可能性は低そうです。